本の感想|ハーバード☓脳科学でわかった究極の思考法

スリニ・ピレイ著著 2018.03.14
■タイトルと著者
原題とは遠いです。人目を引きそうな言葉を並べて、不謹慎です。Unlock The Power of The Unfocused Mind/Tinker Dabble Doodle Tryが素直です。本文にもよく出てくる“非集中力”を開錠しよう/それには、「いじくり回す Tinker」、「かじる Dabble」、「落書きする Doodle」、「やってみる Try」のがいい、と。
著者は、ハーバード・メディカル・スクールの精神医学臨床准教授。脳科学をビジネスに活かす Neuro Business Group の設立者でCEO。高業績の人々が直面している頭と心のカウンセリングを行っている様子です。■「デフォルト・モード・ネットワーク/DMN」がキーワード
私たちが眠っているとき、脳は休んでいません。盛んに脳神経回路を巡らせ、そのエネルギー量は覚醒時より多いといいます。記憶の断片の整理とか、マインドセットの修正とかをやっているようですが、まだよくわかっていません。これが、DMNです。潜在意識に相当し、覚醒時の顕在意識に対応するようです。顕在意識はごく一部で、膨大な潜在意識が眠っています。この感情・思考・記憶の宝庫をうまく使い、引き出せれば凄い成果が得られる、と著者はいいます。夢がそうです。ごく一部しか覚えていませんが、支離滅裂な話・イメージが残ります。稀に、ひらめきも残ります。うたた寝時やぼんやり思い巡らしている時も、あっとひらめくことがあります。これをもっともっと活用しよう、と。
■集中力の間に、非集中力を
知識・経験・アイデアなどの宝庫であるDMNは、前頭葉を中心とする集中力を解いて非集中状態にすることで垣間見ることができる。集中して考えている最中に、間をとって緩めることのようです。方法は、いくつもあって、個人差もあり、訓練もいる、と。
習慣・不安・集中依存・集中への回帰の「4つの敵」が非集中モードを妨げるので、まずは要注意です。脳を非集中モードに切り替えるには、①夢想、②物思い、③想像、④空想、⑤独り言、⑥体を使う、⑦瞑想の7つの習慣を身につけます。
創造性を発揮するときには論理的な脳をオフにする必要はない。
柔軟な思考を発揮するため、「混沌」を受け入れる、「ひらめき」に身を委ねる、「象徴化」の練習を積む、「思考のレンズ」を切り替える、「ふつう」を超越する、「直感」に耳を傾ける、の6つの方法が挙げられる。
他、いくつもいくつも取り組みが紹介されます。多分いくつかは皆さんぞれぞれが実践されているでしょう。改めてチェックされるもいいでしょう。
■おもしろい指摘がいくつも
個人的に興味をもったのは、脳が「モノのインターネット」の一部だと認識すること、です。私たちの脳は人とつながり、世界につながり、あらゆる知恵・思想・経験などネットでつながっている時代にいます。私の脳だけじゃない世界があり、創造性につながるのでしょうか?
原題にある「いじくり回す」「かじる」「落書きする」「やってみる」ことで、また「自分を許すクセ」をつける、「人生の重荷」を手放して身軽になる、「積み重ねの人生」を送る、脳の「複雑さ」をあえて受け入れる、ことで非集中力がよりよい人生をもらす、と。
最後の宣言です。
<いじくり回し宣言>
私は自分自身に寛容になります。
私は心の重りを解き、身軽に生きていきます。
私はファジーな世界で喜んで力を尽くします。
私は脳の複雑さを受け入れます。
私は決して未知のものを怖がりません。
私は「モノのインターネット」の一部です。
私は進化のスピード」を超えた人生を送ります。

脇田 幸三

建築家 株式会社綜設計代表
岐阜市生れ 名古屋市在住
1989年11月綜設計設立
主に住宅・マンション・医院を設計
名古屋工業大学大学院修了
テーマ:“大きな人を育て、大きな人生を歩む”住まい
趣味:読書、朝のランニング