子育て住宅|変化の少ない家なら/①大きな朝を迎える

□プロローグ(共通)
天井高2m40cmほどの部屋が並ぶ総2階住宅やマンションで育つと、枠を超えられない、という共通点を持ちます。時代・社会の手の平で踊らされ、会社・組織や既成の価値観の従者になり、思いが、考えが、想像力が枠を超えるのは難しいのです。
 自由な発想で枠を超えられ“創造性”を育むには、住まいに伸びやかな空間、上下の動きや自然の移ろいを採り入れる、など多様な変化が要ります。“成長”を育む家は、個の可能性を拡げ、輝きの種子をもたらします。

■朝の光が、朝の場に届かない
 戸建て住宅でも東側が建て詰っていたり・間取りが悪いと、朝の光が台所・食堂や寝室に届きません。冬期は、南の窓の外に陽射しを見るだけかもしれません。設計の段階で考慮しないと難しいです。
 マンションでは、南面して南側に余地があれば、冬季でもバルコニーに朝日は届きます。が、密集する市街地では建物間隔が十分ではありません。
 庭先やバルコニーに朝日が射すのなら、そこで背伸びをするだけでも朝のスタートになります。工夫次第で反射板を利用して、屋内に朝日を導入することは可能です。
 晩秋から早春にかけては、日が弱くなります。日が高くなれば、散乱光も手伝って明るさは十分ですが、朝のスイッチが入るには遅いです。

■朝の光が弱いなら、外へ出向く
 田舎や郊外に比べ、市街地は古くからの密集地を除けば都市基盤が整備されています。小さな公園や街路樹・緑地は、あちこちにあります。
 住まいのなかで、晩秋から早春まで朝の光が弱いなら、とにかく外に出ます。雨の日は別にして。新聞取りに、ゴミ出しに、門先や街路に、近くの公園に出向き、朝を浴びます。マンションなら1階に下りて街路・公園へ、団地なら共有の遊び場・緑地へ。
 朝の時間は、貴重です。わざわざ、と思うかも知れません。これは、住まいの中でより、刺激が多いのです。外気、温度・湿度、風に触れ、草花や木々の移ろいを見て、街の喧騒の始まりを聞き、朝日を五感で感じます。
 身体の生体リズムの1日のスイッチが入り、セロトニンの分泌量を増やします。

■日の出の時間
 朝は日の出に始まるのではなく、もう少し早めに明るくなります。国立天文台の説明では、日の出前や日の入り後の、空がうす明るい状態を「薄明」と呼びます。戸外での作業に差し支えない程度の明るさを市民薄明(常用薄明)といいます。人が識別できます。この時間は約30分です。日本列島の中緯度帯では、夏至近くに4時過ぎから、冬至過ぎには6時半過ぎに空が白々としてきます。
 正確な日の出時間を知るには、東京天文台暦計算質のホームページが参考になります。http://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/ ここで、“今日のこよみ”を見ます。

■早起きの習慣
 「早起きは三文の徳」といわれます。現代では、生体リズム・健康と脳のために、早起きの活動はさらに大切になっています。

脇田 幸三

建築家 株式会社綜設計代表
岐阜市生れ 名古屋市在住
1989年11月綜設計設立
主に住宅・マンション・医院を設計
名古屋工業大学大学院修了
テーマ:“大きな人を育て、大きな人生を歩む”住まい
趣味:読書、朝のランニング