木の家|贅沢なつくり

■一番贅沢な住宅とは
現在の豪邸は? ミスチル櫻井邸、ZOZO前澤邸、観月ありさ邸などが話題になっています。断トツは、ビル・ゲイツ軽井沢別荘でしょう。地下3階・地上1階の回廊式和風建築とか。総工費80億円? 単価でいえば、1985年完成の神宮茶室が記憶に残ります。“300年保ち、歴史的遺産となるものを”という意図で、材と手間を惜しみなくつぎ込んだ数寄屋建築です。本棟354.3m2、当時の雑誌には確か600万/坪の記載があったように思います。それでも一番は、伊勢神宮・内宮でしょう。20年ごとの遷宮があります。数百年の樹齢をもつ木曽桧を使う神の住まいは、すべて特別な造りです。

■贅沢な住宅の造り
耐震・耐火・耐風かつ耐久性の高い建築構造で、まず思いつくのは鉄筋コンクリート造=RCかも知れません。躯体をRCでつくり、石や無垢の木で覆えば、確かに高価になります。が、100年を超えるRCで現役な建築は国内にはないように思います。
高湿高温の日本では、吸放湿や体感からいっても木造が優れ、土や焼き物など自然素材を多用することがしっくりきます。材と技を選んで贅沢な住宅になります。
柱・梁は、無節の桧材で、すべて現しにします。梁背のいる梁の調達は、困難かも知れません。すべての材は山地まで特定でき、トレイサビリティをはっきりさせます。十分に乾燥させ、大工の手刻みで加工します。隠れたところに金物補強をして、見え掛かりは伝統的な仕口・つなぎとします。
床材は、ナラなど無垢の広葉樹か無節の桧・杉材です。土間には、石・タイル貼りです。腰壁も、同様です。天井材は、やはり無節の桧・杉です。
壁は、木舞土壁を十分乾燥させた上に、漆喰や珪藻土ぬりなど左官仕上げとします。一部に石・タイル貼りを用います。
外壁は、石・タイル貼り、漆喰など左官仕上げ、壁に高断熱性能を付与するなら軽い金属板張りです。

■建築設備
今日、設備抜きには語れません。贅を尽くせば、デザイン性に優れる輸入ものの照明器具、水栓など衛生関連器具を用います。ただウォシュレット・シャワートイレは、国産品しかありません。浴室は、ユニット・バスには限界があり、特注です。桧の浴槽やコーラーのバスタブ・シャワーユニット、石・タイル貼りの床・壁、壁には桧・サワラも、天井は桧・サワラです。
設備は、15~30年で交換が必要になります。入手しづらい機器は避けるのがいいかも知れません。

■特殊な付帯設備
オーディオ・ルーム、ホーム・シアター、暖炉・ペレットストーブ、サウナ、フィットネス・ルーム、温水プールなど趣味とお好み次第です。

■庶民の贅沢な住まい
①可能性を拡げる9つの条件を持つ
②節があってもいいから地域材の木材を現しで使う
③自然素材の多用
④大工・左官など職人技の採用
⑤高性能断熱気密の省エネなつくり
を可能な限り実現することです。

脇田 幸三

建築家 株式会社綜設計代表
岐阜市生れ 名古屋市在住
1989年11月綜設計設立
主に住宅・マンション・医院を設計
名古屋工業大学大学院修了
テーマ:“大きな人を育て、大きな人生を歩む”住まい
趣味:読書、朝のランニング