健康住宅|換気の話 ①今までとこれからの流れ

■風通しと換気
住まいに、陽射しと風通しの良さは、住まいの第一条件です。窓が大きく、開放的なつくりが、望ましいことでした。ところが、省エネルギーが叫ばれるようになると、風向きが変わってきました。高断熱と高気密が前提となりました。どちらかというと、閉鎖的な住宅が時代に合うのです。
住宅づくりを性能から見て組み立てる手法が主流になっています。でも、人も気候も変わっていません。夏は涼しく、冬は暖かく、春・秋は開放的に暮らしたいものです。断熱気密性能をあげて、なお夏の早朝や冬の日中も含め、季節を楽しみたいです。

最近の話です。断熱的に弱点の窓は小さい方がよく、夏の日射を避けたい、と。隙間風と窓の開閉で換気できていた住宅から、高気密住宅では計画的な機械換気にしなさい、と。
旧基準法では、換気扇が強制されるのは台所だけでした。これが、1990年代のシックハウス症候群が社会問題化して、2002年から24時間計画換気が義務付けられました。
省エネ基準は、1980年の旧省エネ、1992年の新省エネ、1999年の次世代省エネ、2013年の改正省エネ、と性能が向上しています。換気は、熱交換型が主となります。

■窓による換気=風通し
延べ120㎡、平均天井高2m40cmの住宅の容積は、288m3です。
幅1m60cm、高さ2mの掃出し窓を全開、そよ風2m/sが吹くと、90秒で280m3の空気が室内に入ります。各部屋の扉や先の窓が開いていれば、ですが。
窓による換気=風通しは、短時間で効率よく空気を入れ替えます。晴れた気持ちのいい時間に限りますが。休みなく常時というと換気扇に頼りますが、窓による風通しは、したいものです。

■換気の必要性
揮発性有機溶剤や一酸化炭素の発生は、問題外です。台所の局所的なガスや臭いは、キッチン・レンジフードで対処します。便所の臭い、浴室の湿気も専用換気扇で排気します。
他には、住宅に持ち込まれる家具・ドライクリーニング・ラッピングなどの臭いがありますが、一時的で徐々に減じます。日常的に気をつけなければいけないのは、人が発する
炭酸ガスと湿気、空気中の湿気です。特に湿気のコントロールには配慮しましょう。
高温で湿度80%以上では結露やカビ・菌が発生しやすくなります。湿度20%以下では、埃が舞いやすく、喉を痛めウィルスが着床しやすくなります。インフルエンザなどウィルスは、絶対湿度11グラム以下、室内温度18℃~22℃、湿度50%~60%で不活性化するといわれます。ただ、喉の分泌物に保護されたウィルスは感染力を維持し、早く屋外へ排出するがいいともいわれます。また、熱帯地方の雨期にインフルエンザが流行することから、紫外線強度も関係するといわれます。冬期の太陽光の室内への導入は、この意味でも重要です。

脇田 幸三

建築家 株式会社綜設計代表
岐阜市生れ 名古屋市在住
1989年11月綜設計設立
主に住宅・マンション・医院を設計
名古屋工業大学大学院修了
テーマ:“大きな人を育て、大きな人生を歩む”住まい
趣味:読書、朝のランニング