健康住宅|換気の話 ③大きな空間と素材の吸放湿力

■大きな空間は、湿気の許容力が大きい
引戸、ドアガラリ、可動欄間などで個室を居間・吹抜けなどに開放する。気積として屋内を一つの空間とする。
○吹抜けのある延べ140~150m3、床下・屋根裏を含め全容積500m3
○5人家族、就寝時8時間で、300g×5人=1,500gの水分を排出
○家全体では、1,500g/500m3=3g/m3の水分増

□冬季の場合
○室温20℃、湿度30%(水分17.3g×0.3=5.19g/m3)、換気なしで、朝方18℃(飽和水蒸気量15.4g/m3)では?
○5,19+3=8.19gとなり、湿度53%に

□梅雨の場合:
○室温28℃、湿度50%(水分27.2g×0.5=13.6g/m3)、換気なしで、朝方26℃(飽和水蒸気量24.4g/m3)では?
○13.6+3=16.6gとなり、湿度68%

■建築素材は大きな吸放湿を持つ
構造材・仕上げ材が、湿気のコントロールに寄与します。自然素材をうまく活かします。木造住宅には、呼吸する=吸放出する素材があります。
A 短い時間で吸放湿する材で、室内空気に接する面積の大きなもの・・・珪藻土など塗り壁、杉・桧など木、多孔質な土タイル、障子や紙クロス
B 長い時間で吸放湿する材で、ボリュームのあるもの・・・柱・梁の桧や杉、木舞土壁、断熱材の羊毛やセルロースファイバー

□140~150m2の住宅-500m3の気積の水分量
○夏:28℃、60%では、27.2g/m3×0.60×500m3=8,160g=8.16kg
○冬:20℃、40%では、17.3g/m3×0.40×500m3=3,460g=3.46kg

□構造材・仕上げ材が吸放湿する水分量
○柱・梁等の構造材:25m3×0.38(杉の比重)=9.5t
○床材杉厚27+桧15:140m2×0.042×0.38=2.2t
○化粧屋根板厚12: 170m2×0.012×0.38=0.78t
○現しの木の合計:12.5t
○十分乾燥すると平行含水率=12~13%
○5%の変動があれば、12,500kg×0.05=625kgの吸放湿がある

◆空気がもつ湿気は、意外と小さい
◆建築材料の大きな吸放湿力を活かして、調湿に役立てるのが有効です

□新建材の吸放湿力・調湿力
塗装済みフローリング合板やビニールクロスは、調湿ゼロです。木造住宅で、柱・梁を隠す造り(大壁)は、もったいない。ハウスメーカーの家は、木の良さを活かしていません。
一方、竹小舞土壁は調湿にもよく、現しで塗り仕上げがいいのです。

脇田 幸三

建築家 株式会社綜設計代表
岐阜市生れ 名古屋市在住
1989年11月綜設計設立
主に住宅・マンション・医院を設計
名古屋工業大学大学院修了
テーマ:“大きな人を育て、大きな人生を歩む”住まい
趣味:読書、朝のランニング