健康住宅|換気の話 ④熱放出と建築の蓄熱性

■換気で冷暖房の熱はどうなる?
換気千で空気がどんどん入れ替えると、寒い(暑い)でしょうか? あるいは効率悪いでしょうか?空気は、熱的に非常に軽い存在で、暖めやすく、冷えやすいものです。湿気も、熱量を持ちます。よって、換気扇は熱交換型がすぐれ、空気の熱と湿気の熱を外気と交換する全熱型空調換気扇が望ましいのです。
一方、身体は輻射熱で熱(冷熱も)を感じます。住宅の構造体・仕上げ材が保温・保冷していれば、玄関や窓から出入りがあって、外気が一時的に入れ替わっても、すぐに回復します。内部温度は、空気・湿気と建築体の熱容量で決まります。建築体の蓄熱力を高めることは、温熱環境の維持にとても有効です。

■建築体で、どれほど熱を蓄える?
高断熱高気密住宅で24時間換気があるとはいえ、気分転換や掃除の時、窓を開け放しにしたいですね。実際、春や秋の非エアコン使用時は、窓を開け放しにします。夏には早朝、冬には真昼に、窓を開け放つことはよくします。
どういう造りや仕上げがいいか、といえば、建築体がもつ保温力の髙い=熱容量の大きいものです。熱容量が大きいほど大きな熱(冷熱)を蓄え、一時的な空気の入れ替えにもすぐに直前の状態に戻します。
熱を蓄えるには時間がかかりますが、一旦室温まで暖まれ(冷えれ)ば、一時的な開口部の開閉があっても、すぐに冷え(暖まり)ません。
下図の試算のように住宅の造りによって、保温力=熱容量は違います。
○構造材を現す真壁造りは、構造材をボードなど覆う大壁造りの3.6倍の保温力を持ちます
○木舞土壁を壁下にすると、6倍の保温力を持ちます
○外張り断熱とし、基礎コンクリートを屋内化すると、さらに大きな保温力を持ちます
○他に、レンガやタイルを用いて、さらに保温力を大きくすることができます

◇木造住宅で構造材を隠す真壁造りは、構造体の保温力を使わず、もったいない
◇真壁造りが標準のハウスメーカー・建売り・大手ビルダー住宅は、結果機械に頼ります
◇自然素材を活かす家づくりが、望ましいのです

脇田 幸三

建築家 株式会社綜設計代表
岐阜市生れ 名古屋市在住
1989年11月綜設計設立
主に住宅・マンション・医院を設計
名古屋工業大学大学院修了
テーマ:“大きな人を育て、大きな人生を歩む”住まい
趣味:読書、朝のランニング