健康住宅|換気の話 ⑤気密と家全体換気

■気密の大切さ
何故、換気が大切になってきたのでしょう? 1980年辺りから省エネは叫ばれましたたが、換気の声は聞かれませんでした。1990年代のシックハウス症候群が社会問題化し、2002年から24時間計画換気が義務付けられました。また、北欧や北米並みの断熱基準の必要性が叫ばれ、気密が重要となりました。1999年の次世代省エネ基準では、気密性が明記されました。
それまで“隙間風”で何となく辻褄が合っていました。冬は、本当に寒かったですね。高気密住宅では漏れが少なくなりました。逆に汚染空気を排出し、新鮮空気の導入が必要となりました。

○昔ながらの家の隙間相当面積:床面積1m2につき15cm2以上ありました
○6帖(10m2)では、10×15=150cm2 ⇒ 12.2cmの穴が空いている
・・・・・⇒ 自然換気(=隙間風)で十分
○高気密住宅では、2cm2/m2以下で、実際には0.5~1.0cm2
○隙間相当面積を0.5cm2の場合:10×0.5=5cm2 ⇒ 2.2cm2の穴が空いている
・・・・・⇒ 隙間風ほとんど無く、計画的な換気が必要

◇選択肢は、二つに一つです
A 昔ながらの家で、四季に寄り添った生活をする ⇒ 夏は暑さを楽しみ、冬は身が引き締るのを楽しむ
B 自然素材いっぱいの高断熱・省エネの家を着る ⇒ 最小限のエネルギーで夏涼しく、冬暖かく暮らす
◆ お奨めは、『服を脱ぎ着するのではなく、住まいを着る』という方向です

 

■居室だけでなく、家全体を隈なく換気が大切
建築基準法は、居室だけの24時間換気を求めています。住む人が大事だからです。
木造住宅は、土台・柱・梁など構造体のすべてが乾燥状態であると耐久性を増します。床下や壁の裏に湿気が溜って腐朽菌が付くようでは、問題です。
大壁造は、壁の裏に木が隠れ、通気の工夫がいります。すべての木材は、動く空気に触れることが重要です。柱の間をグラスウールなどで充填し気密シートを覆う場合、難しいです。柱の間に自然素材の羊毛やセルロースファイバーを使う場合は、気密シート不要で、壁内と天井裏で空気の循環は可能です。
真壁造は、柱・梁が1面以上室内空気に触れ、感想が保たれます。
断熱家全体の通気=換気が大切です。それが、住宅を元気に保つ方法です。

脇田 幸三

建築家 株式会社綜設計代表
岐阜市生れ 名古屋市在住
1989年11月綜設計設立
主に住宅・マンション・医院を設計
名古屋工業大学大学院修了
テーマ:“大きな人を育て、大きな人生を歩む”住まい
趣味:読書、朝のランニング