健康住宅|換気の話 ⑥まとめ こんな方向で

■換気する訳
生活のなかで、空気中に溜まったものや汚れを出して、新鮮空気を入れます。また、気持ちの上で、気分転換をはかったり、外との一体感を楽しみます。窓を開けて太陽や風や緑に直接当りたいとか、掃除のときレフレッシュしたいとか、です。機能的には、以下の目的があります。
a)炭酸ガス濃度を1,000ppm以下(大気は400ppm)にする
b)一酸化炭素濃度を10ppm以下にする(直火で発生することがある)
c)ホルムアルデヒド・クロルピリホスなどの発散する(規制があって、室内発生は稀)
d)トルエン・キシレンなどVOC濃度を発散し薄める(外部からの一時的持ち込み)
e)便所・台所・身体・雑貨などからの臭いを発散する
f)浮遊粉塵を排出する(外にも花粉・胞子などあるのでフィルターで排除)
g)台所・風呂・身体などから湿気を排出する

■建築基準法では
2002年7月までは、火気使用室=台所(2階建ての1階にある場合)と窓のない外部に接しない便所に、換気扇が要するだけでした。
2002年7月以降、居室の換気が追加されました。法第28条の2、施工令第20条の6
○機械換気設備により居室の有効換気量が0.5回/時間以上必要に・・・365日24時間、部屋の空気を2時間に1回=1日12回部屋の空気を取り替えること。換気扇のスイッチは、手の届きにくいところに設ける。
例外は、数奇屋造り(木造建て)などで、開口部=隙間が15/10,000(15 cm2/㎡)以上の場合です。昔の隙間風いっぱいの住宅です。

■建築的に換気を考えると
○風通し・・・風の抜けやすい窓を配置する。春・秋の季節感を楽しみ、夏の早朝、冬の昼間に気分転換や掃除に開ける。一番大事です。
○南面の窓は大きくします。冬期の陽射しをいっぱい奥まで導入し、暖気を貯めると同時に、紫外線によるインフルエンザなどウィルス対策をします。
○居室は、高い天井・斜め天井で大きな容積にする。小さな部屋は、吹抜け・階段・ホールと引き戸や欄間でつなぎ、空気的に一体とします。
○家全体の空気循環をする。吹抜けや階段が、空気の上下移動を助けます。また木部を乾燥状態に保つように、大壁の裏や床下・天井裏まで空気を動かし、淀む箇所をなくします。内部結露や腐朽菌を避け、木部の耐久性を増します。
○換気扇は、空気と湿気の熱を交換する全熱交換型が望ましい。冷暖房ロスを少ないし省エネルギーをはかります。
○湿度管理は重要です。夏期は室温28~26℃と高くても60%以下に、冬季は20~18℃で40~60%にします。
○除湿を主とした冷房と、加湿を考慮した暖房をはかります大きな空間に『強力な呼吸する外套を着る、という感覚です。

脇田 幸三

建築家 株式会社綜設計代表
岐阜市生れ 名古屋市在住
1989年11月綜設計設立
主に住宅・マンション・医院を設計
名古屋工業大学大学院修了
テーマ:“大きな人を育て、大きな人生を歩む”住まい
趣味:読書、朝のランニング