子育て住宅|変化の少ない家なら/⑨お気に入りの場

□プロローグ(共通)
 天井高2m40cmほどの部屋が並ぶ総2階住宅やマンションで育つと、枠を超えられない、という共通点を持ちます。時代・社会の手の平で踊らされ、会社・組織や既成の価値観の従者になり、思いが、考えが、想像力が枠を超えるのは難しいのです。
 自由な発想で枠を超えられ“創造性”を育むには、住まいに伸びやかな空間、上下の動きや自然の移ろいを採り入れる、など多様な変化が要ります。“成長”を育む家は、個の可能性を拡げ、輝きの種子をもたらします。

■変化の少ない住宅では
 9つのポイントの中では、最も個人的な要素です。どこに居ようが、どんな時間であれ、お気に入りはありそうです。どんな住宅でも、タガがはずれ、ゆったりできる場・時は、あると思います。ただ、違いはあります。単調で平凡な空間より、拡がり・高さに変化があり、五感への刺激が大きいほど、気持ちがふっと抜ける機会が多いでしょう。弾ける創意工夫が、チマチマすることなく、大きくなると思います。空間・場のメリハリが、ひらめきのメリハリに影響します。

■マイフェイバリット
 ぬくぬくできる場づくりは、家族それぞれが大なり小なり巣作りしています。自分の時間を少しでも快適に、と。時間をかけて、「心休まる」「くつろぐ」「ほっとする」「心地よい」空間・時間を作りあげています。癒しの空間に近いかも知れません。ぐっとリラックスして、余計な情報をシャット・アウトします。マイフェイバリット、お気に入りの空間・隅・場・部屋とお気に入りの時間です。どこでも持てそうです。
 “ひらめき”の機会を多くしようとすれば、住宅内にとどまらず、少しで外に出向くことです。庭に出て樹陰に一服するとか、近所に散歩にでかけるとか、公園で軽い運動をするとかです。気持ちが、脳のスイッチが切り替わります。

■私の場
 乳幼児なら母の膝の上が一番快適でしょう。子どもなら自ら囲った小さな城で想像力を働かせる時間が楽しいでしょう。個室を持つようになると、マイルームになります。お母さんは、家事室を兼ねる専用室・コーナー。お父さんは、書斎があるといいですね。ロフトや半地下室が、趣味の部屋にいいでしょう。夢みる寝室は、快適にしたいです。
 みんなで使う居間や食堂は、早朝や寝静まる時間に一人で独占して、マイタイム、マイコーナーを持ちます。
 時間を違えて使う浴室などは、BGMや照明で一人ゆったりリラックスします。

脇田 幸三

建築家 株式会社綜設計代表
岐阜市生れ 名古屋市在住
1989年11月綜設計設立
主に住宅・マンション・医院を設計
名古屋工業大学大学院修了
テーマ:“大きな人を育て、大きな人生を歩む”住まい
趣味:読書、朝のランニング