省エネ住宅|地熱利用 ②基本的な考え方

■建物は大きな重石
建物が地表を覆うってことは、地面に大きな石を置くのと同じ感じです。その直下は、冬季現しの地面よりかなり温かい。庭に据え置かれた瓶とか石を移動すると、いろんな昆虫の活動が見られます。住宅の基礎下は、土を盛った下部と同じです。

■住宅の基礎下中央は、地中2Mほどの温熱環境
住宅そのものが、大きな土饅頭に相当します。地表から20~50cmの基礎下真ん中は、地中2~3Mの温熱環境です。

地中深くなるほど地表温度とのズレが大きくなり、活用しやくなります。地表から2M程度の地熱は、真冬で8.5℃、真夏で23.0℃前後が予想され、このままでは利用が難しい。

■地中4~5Mの環境を呼び込む
○接地面積を増やすことが地表からの影響を少なくしますが、住宅床面積には限りあります。基礎と断熱材を地中深く入れるのがいいのですが、コスト・アップになります。
○建物が、地中と相乗効果を上げるように、蓄熱性を高めます。
○断熱材を強く・深く覆えば地表からの影響が弱まり、地中深い温熱環境を呼び込みます。また、建物の蓄熱性能が上がれば厚い土に覆われるのと同じになり、より安定した温熱環境が得られます。

蓄熱性を高めるには、断熱層内に木(構造材・仕上げ材)、土(土壁・三和土土間)、石(床敷き・壁張り)、レンガ(床敷き・壁材・暖炉)、コンクリート(基礎・壁)を多用します。一方建物の外側をすっぽり高断熱材で覆うことで、見かけの建物のボリュームが大きくなります。地表面温度からの影響を小さくし、地中4~5Mの温熱環境を期待します。

■住まい方の工夫と生活熱の活用
○秋から冬は、日射を導入して屋内に蓄熱します。
○春は、外気を取り込み、涼しい熱を屋内に蓄熱します。
○梅雨から夏は、日射を遮蔽し、除湿と機器による冷気を蓄熱します。
○秋は、外気を取り込み夏の熱を逃しながら、冷え込みを避けます。

○人体や電気機器・照明器具の熱は、空から春にかけ蓄熱し、夏は排熱します。
○空気の入れ替えには、台所と水廻りはすべて排気し、他は全熱交換換気扇を使います。

○基礎直下の地盤が、地中4・5Mの温熱環境に支えられ、基礎に10~20℃の熱を安定して蓄熱することを期待します。

以上で年間を通し、屋内の熱環境を機器の助けを借りて18~26℃程度に保ちます。

脇田 幸三

建築家 株式会社綜設計代表
岐阜市生れ 名古屋市在住
1989年11月綜設計設立
主に住宅・マンション・医院を設計
名古屋工業大学大学院修了
テーマ:“大きな人を育て、大きな人生を歩む”住まい
趣味:読書、朝のランニング