本の感想|自己肯定感を高める子育て/子どもの「才能」を最大限に伸ばす

ダニエル・J・シーゲル&ティナ・ペイン・ブライソン著 大和書房 2018.09.05
■自己肯定感
このところよく耳にする言葉です。日本で提唱されてから25年ほど経ち、いろいろな考え方・理解があるようです。
原題は“THE YES BRAIN/How to Cultivate Courage, Curiosity, and Resilience in your child” 直訳すれば、“肯定脳/子どもに勇気・好奇心・回復力を養う”です。「自己肯定感」がキーワードですが、the yes brain なんですかね?
幸せに、しかも内なる輝きを発揮できる人生には、必須かな。枠を超える抜きんでる人になるには、また別な何かが要るでしょう。以下、抜粋です。

■狙い
“終章 「成功」とは何か――「自己肯定感」に支えられた人生”にあります。
“ランニングマシーン(有名な学校でよい成績、スポーツでの大活躍、学芸会での主役・・・そしてその次は「何」を手に入れる?)は、家族をマイナス脳の方向に押しやる。”
“子どもの内なる輝きの炎をかき立てて、自分の才能と望みを生かした形で成功できるように、自分の個性を発見する手助けをしてあげよう。真実の上質な人生へと導ける。“
学業や職業での成果はといった狭い意味での「成功」ではなく、豊かな人間関係と、世界との意義深い交流、心の平静に満ちた人生を送るには、肯定脳が必須だ、と。

偏差値競争にあおられ、学校や習いごとに押しつぶされそうな気分で、自己肯定感が痛めつけられ、好奇心や創造力や向学心を生かしておくための内なる輝きが消されてしまう恐れがある。マイナス思考から逃れ、自己肯定感を育てよう、と。

■子どもが“自分らしく”生きるために(序章)
私たちは、「プラス脳」のときと、「マイナス脳」のときがある。マイナス脳のときは、まわりの人とかかわると過剰な反応をしやすくなり、ものごとに柔軟に対応できなくなる。
プラス脳は、まわりの人の話に耳を傾けて、きちんと判断し、ものごとを受け入れることができる。プラス脳とは、脳の機能が統合した状態のことだ。子どもとのやりとりでプラス脳を育ててあげれば、自己肯定感の高い、もっと統合した脳に成長する。
統合した脳の特徴は、柔軟性・適応性・一貫性・活力・安定性のことばで説明できる。
自己肯定感により幸せのカギとなる4つの資質がつくられる。①キレない力、②立ち
直る力、③自分の心をみる力、④共感する力

■自己肯定感を高める①「キレない力」(第1章)
まず、子どもがある程度、感情のバランスとコントロールを保てなければ他の3つは
身につかない。それに、子どもは自分を抑えられなければ、学ぶことができない。

図解によるこの説明は、秀逸です。
レッド・ゾーン(怒りやいら立ちが爆発!)――グリーン・ゾーン(心のバランスがとれ
た状態)――ブルー・ゾーン(心を閉ざすことで、不快な状況に反応)
子どもの「キレない力」をはぐくむために――親がやるべき2つの仕事
①子どもがキレてしまったときグリーン・ゾーンに戻してやること
②成長とともにグリーン・ゾーン・許容の窓を広げる手助けをすること

次の指摘も“へぇー、そんなんだ!”と思います。
NASAが採用するのは、幼少期「ユニークな遊び経歴」のある人材――子どものときにものをつくり、遊んだ経歴に特徴ある人が、問題解決をいちばん得意とする人たちだった。
脳の発達に必要な子ども時代の遊びとは、自由に自分の想像力を探れる「自由時間」

自己肯定感に基づく「キレない力」を育てる方法
1―-睡眠をたっぷり取らせる/眠りは、脳の衛生を保つ
2―-「心の健康プレート」:集中の時間、遊びの時間、つながりの時間、運動の時間、思
索の時間、くつろぎの時間、眠りの時間、をつくる

■自己肯定感を高める「立ち直る力」(第2章)
・短期の目標=キレない力・・・子どもがレッド・ゾーンにいる自分を知る。そして親は、
グリーン・ゾーンに戻る手助けをしよう
・長期の目標=立ち直る力・・・親はできるだけ子どものグリーン・ゾーンを広げてあげよう
・子どもに教えるべき優れた教訓は、“まだ”というコンセプトだ。

「立ち直る力」を育てる方法1――確かなきずなで安心感を与える
「立ち直る力」を育てる方法2――「マインドサイト」(自分とまわりの人の心に気づいて理解する能力)・・・洞察(自分の心を理解)、共感(回りの人の心を理解)、統合(個人の脳内や人間関係など異なる部分をいっしょに働かせること)の使い方を教える。

■自己肯定感を高める「自分の心を見る力」(第3章)
自分の心をみる力は、その「ひと休み」のなかにある。
・「自分の心を見る力」を育てる方法1-ネガティブをポジティブに変える視点
「成長マインドセット」人は苦労について、努力と経験から成長できるというマインド
セット(心のありかた)を持てる。親は子どもに、人生とは努力と発見の旅であって、成功という目的地を簡単に手に入れることができないと教えてほしい。そうやって、成長マインドセットを支える洞察力を身につけさせたい。
・「自分の心を見る力」を育てる方法2-子どもに「赤い火山」の存在を認識させる

■自己肯定感を高める「共感する力」(第4章)
「わがまま」な子に「思いやり」を身につけさせる親の声かけ
「今、この瞬間」の子どもに集中する

・「共感する力」を育てる方法1-子どもの「共感レーダー」を調整し、脳の人づき合いのシステムを活性化させてやることだ。
・「共感する力」を育てる方法2-共感のことばを教える ・・・「自分を主語にして話す。 他人の悲しみに共感するときは助言するのではなく、耳を傾けてそばにいよう、と教える。
・「共感する力」を育てる方法3-「関心の輪」を広げる

脇田 幸三

建築家 株式会社綜設計代表
岐阜市生れ 名古屋市在住
1989年11月綜設計設立
主に住宅・マンション・医院を設計
名古屋工業大学大学院修了
テーマ:“大きな人を育て、大きな人生を歩む”住まい
趣味:読書、朝のランニング