省エネ住宅|壁の熱貫流率-断熱材と内外装材

■材料のみの単純な熱貫流率U
住宅省エネルギーは、外皮性能基準に大きく左右されます。壁や屋根・天井の断熱性能をあげる必要があります。ここでは、外壁の単純な内外装と組み合わせた断熱材の性能をみます。充填断熱の実際は、柱や間柱など熱橋=ヒートブリッジがあって断熱性能は落ちます。下記に9つの組み合わせの熱貫流率Uを表します。H28年省エネルギー基準に基づきます。
組み合わせの断熱性能でも、断熱材の熱伝導率と厚みが性能を決めます。外張りでは、外装材を固定するために使用できる断熱材厚さに限りがあります。Max t=45mm 程度とします。充填断熱では、柱を隠す大壁工法を採ることが多く、Max t=105mm(105角の柱間)とします。柱を現わす真壁では120角の柱を使い、充填幅はMax t=92.5mm とします。

■断熱材の組み合わせの特徴
・外張りと充填構法の単独工法でも、関東・東海・北陸以西ではH28年省エネルギー基準をクリアが可能です。が、より高い性能とするには付加断熱が欠かせまません。

・グラスウールは高性能化が図られ、密度35kg/m3では熱伝導率λ=0.035となり、単独の充填だけでも十分な性能が得られます。が、間違って浸入する湿気を取り込むので防湿層が必須です。これには慣れた職人の連携が欠かせず、難しく手間がかかります。材の性能のアップにもかかわらず、断熱材のシェアを落としている理由でしょう。

・外張りでは採用できる厚みに限界があり、より高い性能実現のためには充填断熱との併用になります。充填断熱材は、いろいろな選択肢があります。

・充填構法では、吹付けウレタンフォームの採用が急激に増えています。性能がよく、防湿・気密層が不要で工事が楽だからです。実はここが問題です。安易過ぎて断熱・防湿・気蜜への取り組みがおろそかになります。住んでから火災の場合、有毒なシアンガスが微量に発生します。解体時には、産業廃棄物になります。選択してはいけない材料です。

・化学素材の断熱性は、経年変化がつきものです。CO2などの発泡直後が最大で、その後急激に落ち、半年~1年後には安定し、劣化は少ないといわれます。性能の幅の多い材料で、安定後の性能の確認が要ります。

・自然素材系のセルロズファイバーや羊毛、PETリサイクル材のパーフェクトバリイアは、充填工法でも厚さが確保できれば、H28年省エネルギー基準をクリアが可能です。が、外張り工法と併用することでより高い性能が得られます。

■組み合わせ事例

脇田 幸三

建築家 株式会社綜設計代表
岐阜市生れ 名古屋市在住
1989年11月綜設計設立
主に住宅・マンション・医院を設計
名古屋工業大学大学院修了
テーマ:“大きな人を育て、大きな人生を歩む”住まい
趣味:読書、朝のランニング