省エネ住宅|Q値とC値そしてU値

 

省エネの基準は、1980年(S55)の旧省エネ、1992年(H4)の新エネ基準から1999年(H11)の次世代省エネ基準になり断熱性能Q値と気密性能C値が登場しました。

■気密性能C値
隙間相当面積で㎡当たりの隙間面積です。隙間だらけの住宅では、断熱性能も計画的な寒気も無意味になります。また施工精度も判断できます。寒冷地で2.0以下、温暖地で5.0以下の基準でしたが、2013年(H25)の改正省エネ基準では削除されました。理由は机上の計算値ではなく、現場実測によるためのようです。手間がかかり、施工精度が出るためハウスメーカーなどが嫌い反対したようです。
省エネの高断熱高気密の住宅では、気密性は欠かせません。最低でも1.0、できれば0.5以下が望まれます。実際の面積でいうと、延べ150㎡の住宅なら75㎠=直径9.8㎝の丸い穴に相当する隙間です。昔の家は15㎠/㎡以上でしたから、2,250㎠=直径53.5㎝以上の丸い穴が空いていたことになります。改正省エネ基準にはありませんが、必須の基準です。

■断熱性能Q値
熱損失係数をQ値といいます。屋内と屋外の境界から逃げる熱量(熱損出量)を延べ床面積で
割った数字です。値が小さいほど断熱性能が優れます。
熱損失係数Q=(各部位の熱損失量の合計+換気の熱損失量/延床面積(W/㎡K)
※ U値と比べると、換気熱損失量が+され、分母が延べ床面積です。

延べ床面積当たりの熱量損出のゆえ、容積の小さな造りほど有利になります。吹抜けのない総2階、平らな2階の天井、緩勾配の屋根、単純な形状など数値が小さくなります。空間豊かな楽しい住まいは、Q値は大きくなりがちです。

◆2013年(H25)の改正省エネ基準では、外皮平均熱貫流率UA値と一次エネルギー消費量基準が導入されました。

■断熱性能UA値
外皮平均熱貫流率をUA値といいます。住宅から逃げる熱損出量を、外壁や屋根・天井や床・基礎など外側の総面積で割った数字です。Q値と違って、換気による熱損出は含まれません。設計段階で計算値です。Q値と同じように値が小さいほど断熱性能が優れます。
外皮平均熱貫流率UA=各部位の熱損失量の合計/外皮の部位の面積の合計(W/㎡K)

■断熱性能UA値から見えないこと
断熱性能に影響する温熱環境は、UA値だけではありません。いつくか紹介します。
・日射の取得・・・H28基準では別項目で取り入れています。
・蓄熱・保温性・・・住宅内部の蓄熱・保温性が高いことは、室内温度が安定します。一時的な窓の開放や来客時などが気にならなくなります。
・吸放湿性・・・湿気をコントロールする自然系素材を多用し現しにすることで、エアコン・除湿器・加湿器のみに頼ることなく、穏やかな調湿ができます。

■UA値を見るときの注意点
・設計時の計算値です。材料の組み合わせで、自在に小さくできます。実際にできあがるかどうか、工事確認が要ります。カタログには、窓が小さく少ない家、性能の高い高価なサッシなどの条件で計算されています。公表値をそのまま鵜呑みにできません。

脇田 幸三

建築家 株式会社綜設計代表
岐阜市生れ 名古屋市在住
1989年11月綜設計設立
主に住宅・マンション・医院を設計
名古屋工業大学大学院修了
テーマ:“大きな人を育て、大きな人生を歩む”住まい
趣味:読書、朝のランニング